新モデルX68000 Z SUPER、X68000 Z XVIのクラウドファンディング

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瑞起は2月6日、パーソナルワークステーションX68000 Z SUPERおよび、X68000 Z XVIを発表しました。これらの製品は2025年秋頃に発送予定で、価格は74,800円よりとなっています。

X68000 Z SUPERとX68000 Z XVI

今回発表されたX68000 Z SUPERは、現行のX68000 Zのスペックを引き継ぎつつ、インターフェイスを強化したモデル。MIDIのイン・スルー・アウト端子やSCSIポート、D-SUB端子が新たに搭載され、より拡張性の高い仕様となっています。また、Nano-ITXマザーボードを内蔵できるため、Windowsとのダブルブートも可能です。

一方、X68000 Z XVIはSoCやメモリを刷新し、性能を向上させたモデルで、フロントデザインもX68000 XVI仕様に変更されています。なお、フロントユニットとメインボードを交換することで、X68000 Z SUPERからX68000 Z XVIへと変更できる仕組みとなっています。

カラーはチタンブラックで、サイズは高さ226mm×幅97mm×奥行169mm。現行のX68000 Zよりも大きいものの、オリジナルのX68000よりはコンパクトな設計です。これらの製品はKibidangoにてクラウドファンディングを実施し、2月8日19時から2月27日23時59分までの期間で支援を募ります。なお、一般販売の予定はないとのことです。

価格と販売方法への疑問

搭載されているSoCのスペックを考えると、キーボードやマウスが付属しないエミュレーターマシン本体が74,800円という価格設定は、正直なところやや高額な印象。もちろん、インターフェイスの強化や性能向上といった要素を考えれば、それなりの価値があるのだと思います。しかし、開発やサウンドに興味がないX68000ファンの中には、手が出しにくいと感じる人もいるかもしれません。

また、X68000 Z SUPERとX68000 Z XVIの関係性にも疑問が残ります。X68000 Z SUPERを購入した後に、X68000 Z XVIへ変更できるという仕組みは、ある意味では柔軟性を持たせたとも言えますが、一方で抱き合わせのようにも感じられます。最初からX68000 Z XVIを単体で販売してくれた方が、ユーザーにとっては選択肢が明確になり、購入しやすかったのではないでしょうか。

追記:X68000 Z XVIプランが追加され単品で購入可能となりました。

ソフトの対応状況と今後の課題

もう一つの懸念点は、対応ソフトの少なさです。X68000 Zシリーズは、オリジナルのX68000のソフト資産を活かせることが魅力の一つですが、現時点ではX68000 Zの対応ソフトが限定的であり、購入をためらう要因になっています。

もし外付けの5インチフロッピーディスクドライブが発売され、オリジナルのX68000用ソフトをそのまま動作させることができれば、より魅力的な製品になる可能性があります。しかし、現実的には技術的なハードルが高く、実現は難しそうです。

X68000 Zシリーズの購入で迷っている方は、まず、何を目的として購入するのか、購入後に何が出来るのか、それは自力で実現可能なのか、具体的に書き出して検討してみるのも良いかもしれません。

クラウドファンディングではなく、通常販売を

本製品は、Kibidangoによるクラウドファンディングを通じて販売されますが、一般販売の予定はないとのことです。クラウドファンディングは、企業側がリスクを抑えて新製品を販売できる手法ではありますが、ユーザー側としては、クラウドファンディングの手数料が上乗せされたり、未確定の仕様と完成度、納期に対して先に代金を支払うというリスクが生じます。

ユーザーのフィードバックを積極的に反映し、ユーザーと一緒に作るという姿勢を打ち出すクラウドファンディング。一見すると理想的なアプローチのように思えますが、完成度の低い状態で製品をリリースし、その後の改善をユーザー任せにしているケースも少なくありません。果たして、当初掲げていた目標は本当に達成されているのか。支援という言葉に甘えすぎてはいないか。こうした点について慎重に検証することも必要なのではないでしょうか。

ある程度の規模の企業であれば、サークル的な雰囲気ではなく、完成度の高い製品として自信と責任を持ち、通常の販売方法で勝負してほしいとも感じます。

以前発売されたX68000 Zの評価も気になります。現行モデルを所有しているユーザーがしっかりと活用出来たのか、満足出来たのか、新モデルをどう捉えているのか。今後の反響にも注目したいと思います。

X68000 Zシリーズの今後の展開に注目

X68000 Z SUPER、X68000 Z XVIは、往年のX68000ファンにとって、気になる製品であることは間違いありません。インターフェイスの強化や性能向上といった改良点は評価できますが、高価格や販売方式には賛否が分かれそうです。

また、対応ゲームの少なさや周辺機器の不足といった課題も依然として残っています。X68000シリーズのレガシーを存分に楽しめる環境が整うことを願いつつ、今後の展開に注目したいと思います。

X68000 Z SUPER、X68000 Z XVIの詳細情報・販売サイト

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